レポート・論文の書き方~基礎編~

提供元:千葉大学アカデミック・リンク・センター学習支援スタッフ
2022年1月24日

 

そもそもレポートとは何か?
  • 「根拠に基づいて論証されたひとつの主張」
    • 根拠:すでに明らかにされているもの(書籍、論文、新聞など)
    • 論証:根拠に基づいて筋道立てて説明し、それによって証明すること
    • 主張:論証によって導く、自分の考え
  • ゆえに、自分の意見だけ×、資料の羅列だけ×
  • レポートとは、文学作品でも、感想文でもない!

 

レポートを書く手順
  1. 「問い」と「答え」を立てる
    • 課題・テーマの吟味→大きなテーマの時は、小さなテーマ (一つの主張) にする
    • 「問い」を立てるには?→まずは参考文献を読む!
      • 「問い」の「答え」がレポートの主張・結論になる!!
      • 授業資料や参考文献の中から、賛成・反対・どうして?を探す

  1. 主張と根拠
    • 自分の主張を導くためには根拠が必要~どうしてその主張ができるのかを、読み手が納得できるように説明する

    •  さまざまな資料で示す
      • 「データ」「事実」を根拠として挙げる必要がある
      • 本・論文・新聞・教科書など…誰かが調べてまとめているものを読もう!
      • 信念(記憶・経験・憶測)、伝聞は根拠にならない!

 

レポートを書いてみよう!
  1. 集めてきた資料などを整理→レポートの形に組み立てる
    • 論文やレポートの基本構造

4. 実際の構成のアウトラインを作ろう!

    • 各章・節・段落について「そこで何を書くか」を意識して書こう!
    • それを「何を根拠にして書くか」を整理しておこう!
      • 資料や本を読むときに、付箋・カード・メモを準備しておくと便利
  1. うまくいかない時は…
    • どこでつまずいているのかを戻って考えよう
      • 課題の意図は分かっている?
      • 問いは立てられている?考えはある?
      • 主張を支える根拠はある?
根拠を示す―目的と方法―
  1. 自分の主張の根拠を示す目的
    • 検証可能な文章にする~読み手に開かれた議論を目指す
    • 自己の主張と他者の主張を区別する→剽窃(ひょうせつ)は禁止!!
      • 剽窃とは:出典を明らかにせず、他人の文章や画像等を自分のものとして使うこと
      • コピペ、友達・先輩のレポートを写す、ネット上の情報の切り貼りなど
      • 剽窃は不正行為!社会的にも許されることではない
  1. 自分の主張の根拠を示す方法
    • 他者の意見や、他者の調べたデータなど、他者の著作を利用する際は、正しい方法で示す
      • 引用:他者の著作の文章を一文字も変更を加えずに自分のレポート内で利用すること

      • 参照:他者の著作の内容を要約して利用したり、参考にしたりする場合

    • 文献明記:専門分野でルールが異なる場合あり、要確認!
      • 本の場合

著者名『書名』出版社、発行年、ページ数

著者名(出版年)『書名』出版社、ページ数

      • 論文・記事の場合

著者名「論文・記事名」本の著者・編集者名『書名』出版社、発行年、ページ数

      • インターネットの場合

サイト名、URL(リンクは外す)、最終閲覧日

    • 引用したい箇所が参照(間接引用)で書かれている場合は、筆者が参照している元の本を探し、引用箇所を特定したうえで、改めて引用する
      • 例:A(筆者)はB(引用箇所の著者)の研究をもとに、C(引用箇所)と述べている
    • 欧文文献を引用する場合は、単筆者の場合には書名は斜字体(イタリック体)にして表記する
      • 例:Naomi Klein, This Changes Everything, New York: Simon & Schuster, 2014, pp. 449-451
      • 書くべき情報は:著者名書名発行地: 出版社名発行年引用箇所ページ
    • 欧文文献論文の場合は、論文名は、最初の文字のみ大文字で表記する(副題名も同様)
      • 雑誌の場合は、斜字体とし、大文字などの表記はそのまま書く
      • 例:Harry Harootunian, “Postcoloniality’s unconscious/ area studies’ desire”, Postcolonial Studies, Vol. 2, No. 2, 1999, p. 130.
      • 書くべき情報は:著者名、“論文名”、雑誌名巻号発行年引用箇所のページ

 

おわりに~レポートを仕上げよう!
  1. 最終チェック!
    • タイトル・名前・所属・学籍番号・ページ番号を書いたか?
  2. ステープラーで綴じたか?
  3. 形式も大事:文体・文章
    • 誤字脱字はないか?
    • 主語・述語の対応を明確に(複雑な構文を避ける)
    • できるだけ能動態で書く
    • 修飾語の対象を明確にする
    • 句読点、符号を正しく使う