2025.1.17
News
雨量計データから全球の降水量分布を推定するための新たな手法を提案した論文(Muto and Kotsuki,2024)の英文プレスリリースが千葉大学から出ました。
本研究の一番の独自性は、点々としたデータである雨量計観測から空間内挿を行って降水量分布を推定するにあたり、局所アンサンブル変換カルマンフィルタというデータ同化手法を活用することで、物理モデルに基づく再解析データの情報を取り込んだ点です。このようにして、地点間の力学的関係性が考慮された再解析データの情報を雨量計観測と効果的に統合することで、NOAA CPCが公開している世界的な雨量計ベースの全球降水量プロダクトを上回る精度のプロダクトの開発に成功しました。この手法により、とりわけ雨量計分布の密度が低い地域での降水量推定が大きく向上することが期待されます。全球の降水量分布を高精度に推定することは、水関連の災害対策や水資源管理を行う上で極めて重要だと考えています。今後も提案した手法をさらに改善できるよう、研究を進めてまいります。
英文プレスリリースは下記URLから閲覧できますので、ご関心をお持ちの方はぜひご確認頂けますと幸いです。https://www.eurekalert.org/news-releases/1070377
(武藤)
Muto and Kotsuki (2024)に関する英文プレスリリース