
2025年3月に修了となる毛束と申します。小槻・岡﨑研究室(以下、本研究室)への加入を考えている皆様にとって判断材料となるように、自身の振り返りを書かせて頂きます。
本研究室の長所は優れた計算機や、デバイスの配布、学生室に設置された静音室、研究用の書籍など、研究を実施していく上で有用な要素が潤沢であるという点です。研究を進めるうえで、研究自体の進行や結果以外の部分で頭を悩ませる機会が少ないと感じられます。特に、機械学習を始めとした情報技術の活用に興味を持っている方々にとっては、計算機の制約によって実験が進められない、というような状況に陥りがたいという点は大きな長所と言えます。こうした研究面での環境が充実しているのは小槻先生・岡﨑先生を始めとして、研究室全体で研究に必要・有用な取り組みや機器は可能な限り取り入れ、制度・設備を積極的に改善する風土が根付いているからだと考えられます。
本研究室で過ごした事で、数学として学んだ事を実装するプロセスや、論文の投稿、定期的なプレゼンを通じて、広い意味で実行能力が身に付いたのではないかと感じています。学部3年までは座学が中心で、プログラミングも基礎的な事項の実装が中心の講義だったかと思いますが、(どの研究室でも言える事ですが)本研究室ではそうして学んだ事を実行する能力が要求されます。特に、論文投稿は在籍3年間の中で最も大きな目標としてプレッシャーと存在感がありました。決して楽な経験ではありませんでしたが、明確な締め切りに向けてあらゆる手段をもって目的を実行しきる、という経験は自身の成長に繋がったと感じています。
最後に私自身の反省点と、それを踏まえて本研究室に入るうえで必要な心構えについて述べさせて頂きます。私の反省点は、座学を優先して実行への着手が遅くなりがちだった点、自身の能力とタスクのバランスを見誤って無理な計画を立てていた点です。前者は、単に実装が遅い、というだけでなく、分からない事や悩ましい事象を教員や研究室メンバーにすぐに質問・相談するという意識が身に付くのに時間を要した事を意味します。数式の理解といった質問はもちろん、そもそも研究テーマに限界がある・実際に研究として進めてみると肌に合わない…というような事が起きた場合は、躊躇わずに指導教員に相談しましょう。そこまで積み上げた研究結果が惜しくとも、ある程度見通しの立った研究テーマに切り替える勇気も大切です。後者は、論文投稿や修士論文の執筆を中心に、タスクを熟す上で自身の能力とタスクの重さを見誤り、締め切りまで無理なく計画的に取り組むことが出来なかったことを意味します。経験のない事に取り組む際は、必要な時間を長めに見積もりましょう(徹夜は避けよう!)。こうした反省点を踏まえて、本研究室に加入するなら、主体的に動く意識、最後まで(出来れば計画的に)やりきる意識を持っておくことが大切だと思います。本研究室は、コアタイム等がない代わりに求められる成果は他の研究室より多めかと思います。目的を達成する為に自主的に動く、という経験を繰り返す事で、研究成果と、自分自身の大きな成長に繋がります。
2024年11月20日・土木学会での発表の様子