
千葉大学・環境リモートセンシング研究センター創立30周年記念式典で講演を行いました。国立環境研の三枝さん、東京大学の佐藤先生の後の講演で大変恐縮でしたが、自分なりには納得のいく研究発表をすることができたと思っています。
こちらに資料もUPLOADしていますので、もしご関心があればご参照いただければと思います。

リモセンとデータ駆動科学で変革する気象予測の未来 (2025年11月29日 CEReS30周年記念式典・記念講演より)
備忘録として、自分なりに考えた仮説、悩んだこと、反省点などをまとめておきたいと思います。
悩んだ点
・どこまで抽象度を高めるか。抽象度に関してはPros/Consがあり、具体性・深みがあるほど専門的で分野外の方には分かりにくくなり、抽象的であればあるほど専門家には物足りなくなる。
・本当は、具体と抽象の両方が見せられると良いが、普段抽象的な研究をしているので、小槻にその力はない。これ自体は、研究者として、もっと具体・ユニークネスに基づく研究も進めていかないといけない、という反省がある。また、MSの人工降雨を実施していれば具体も示せたが、間に合わなかった。残念。
・結局、誰に見せるか、ということを意識する必要があるが、結局一番は、文部科学省の方や、大学の執行部を意識して、コンセプト・メッセージ重視の発表に振った。つまり、CEReSがあることの意義、役割、これからも必要であること、を目標においた。一方で、GSMaP, 風景予測, MSのシーディングの話などで、具体を出すことで、抽象と具体のバランスを図った。
ラッキーだった点
・文部科学省の補正予算で AI for Scienceの話があり、お膳立てしていただけた。
良かった点
・意図的に情報を減らし、30分の発表に対して、実質スライド25枚くらいにした。以前、千葉大75周年の発表を早口でやらかしたので、その反省が大きかった。これくらいのバランスが良いのだろう。
・「リモートセンシングデータの民主化」というコンセプトを出せたのは良かった。とある研究費の準備で聞いていたのと、入江先生の「大気のお医者さん」というコンセプト抽出にinspired された。この「コンセプト・エッセンスの抽出」は、まだまだ自分は能力不足なので、もっとできるようになりたい。アナロジーや抽象化能力を高めていく必要があるし、もっと言えばお笑いのツッコミ (エッセンスの抽出 --> アナロジー) も意識して真似した方が良い。
反省点
・「なぜリモセンがなぜ必要か」「リモセンがあるからこそできること」みたいなことに、もう1枚スライドを使ってもよかった。データベース化、新たなニーズへの対応、古墳・感染症などへの発展など。
・本質は、やはり深く面白い研究を進めること。自分で手が動かなくなってくる中で、研究員や学生さんに、如何に面白い研究をしてもらうか。まだ、このゲームは上手くできていない。もっと成長できる。
嬉しかった点
・良い発表だったといってもらえることが多く、うれしかった。この発表を契機に、何か新しい研究や繋がりに発展できるとBEST。これは事後的にしか評価できない。
