2023年度の後半がスタートしました。今年度前期は、新たに鉄道総合技術研究所との共同契約の締結や、JST・ムーンショット目標8・気象制御(コア)の大型研究の採択頂きました。後期も引き続き教育研究活動に取り組んでいきます。
10月から新メンバーが加わり、研究室の体制は、教員2名、特任助教/特任研究員8名、補佐員3名、修士学生9名、学部生3名の計25名になりました。研究室発足4年目の今年度のモットーは「Deepening」。研究はもちろんのこと、研究室内の協働や自分自身を見つめるPDCAを深めていって欲しいと思っています。
以下、研究室の新しい動きを紹介します。
岡﨑准教授、金子さん、Gauravさんの着任
2023年10月より研究室に、テニュアトラック准教授の岡﨑先生、特任研究員のGauravさん、金子さんが新たに着任されました。
2023年10月にCEReSに准教授として着任いたしました岡崎淳史と申します。本務は国際高等研究基幹ですが、日々の活動の場はCEReSになります。この場を借りて簡単に自己紹介をさせていただきます。2016年3月に東京大学工学系研究科社会基盤学専攻にて博士号を取得後、理化学研究所計算科学研究センター、米国ペンシルベニア州立大学気象・大気科学科(Department of Meteorology and Atmospheric Science)、弘前大学理工学研究科に勤務してきました。専門は、データ同化を中心として、数値天気予報や予測可能性に関する研究と、水同位体モデリングを用いた水循環診断および古気候復元です。リモートセンシングに関するものとしては、数値天気予報高度化を目指した衛星降水観測デザインとこれを活用するデータ同化手法開発や、衛星による水蒸気同位体観測を用いた気候モデル高度化などに従事してきました。今後はよりリモートセンシング観測を活用した環境・災害予測研究に注力していきたいと考えています。
千葉大学へ異動するにあたり、弘前大学から研究員1名、大学院生2名がついて来てくれました。真面目でやる気に溢れた面々です。共々、CEReSの皆様から多くのことを学びたいと考えておりますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。(岡﨑淳史)
My name is Gaurav Tiwari, and I joined the Okazaki Lab of the Center of Environment Remote Sensing (CEReS) on October 1, 2023. I am a meteorologist and work in data assimilation, numerical weather prediction, regional earth system modelling, Indian summer monsoon, and climate variability. In March 2023, I arrived in Japan to join Dr. Okazaki’s group at Hirosaki University to work on the Moonshot project of the Japan Science and Technology Agency. My work focuses on typhoon-related research. I am dedicated and adaptable to new challenges. I am very grateful to Prof. Kotsuki for welcoming me, and I look forward to working together under Dr. Okazaki's and Prof. Kotsuki's leadership. (Gaurav Tiwari)
小槻研究室に10月1日に着任したばかりの特任研究員、金子凌と申します。私は、気象衛星ひまわりの美しい画像と機械学習分野のコラボレーションを目的に、VLの研究員として参りました。
私は宮城県の出身で、高校3年生の大学入試シーズンに東日本大震災を経験しました。幸い内陸に住んでいたので大きな被害はありませんでしたが、それを契機に防減災の道を志しました。東京理科大学にて土木工学を専攻し博士号を取得した後、2年半に渡って東京大学生産技術研究所で学振特別研究員(PD)として研究しました。博士課程からは、主に機械学習を用いた豪雨予測の研究に従事しており、今後も防減災×機械学習の融合分野に携わろうと奮闘しております。
機械学習は、過去10年ほどの間に急速な発展を遂げています。多くの皆さまも様々な場面でその発展を感じていらっしゃるのではないでしょうか? これには、技術の進歩によりデータの収集が増加し、計算機が発達し、モデルの汎用的な構造によって様々な分野へ適用が進んだこと等が影響しています。我々の防減災分野も例外ではなく、日進月歩の勢いで成長している大変アツい分野なのです。今後も様々な観測の蓄積が続くことを考えると、大きな展望が期待されます。
さて、「ひまわり」は運用開始以来、その貴重なデータを地上に送り続けてくれています。沢山の方々の叡智と努力により得られた宝物のようなデータを、もっと機械学習分野に持ち込み、もっと多くの方に使っていただきたい、私はそう考えています。一方、これらのデータは、時空間的に非常に莫大なものですから、深層学習モデルに学習させるのはもちろん、学習のためにデータを加工するのも大変です。そこで、私はひまわりの莫大なデータを、機械学習用に整備した「HimawariBench(仮)」を開発し、利用者の裾野を広げたいと思っています。世界には既に、様々な気象データセットが整備されていますが、我々もその一翼を担い、日本から世界にデータセットを提供することで、分野をリードするべきだと考えています。
また、VL枠組みの他にも、小槻先生のムーンショット目標8への参加、自身の科研費の研究なども行います。様々な角度から世の中に貢献できるよう邁進いたします。どうぞ応援をよろしくお願いいたします! (金子 凌)
学振特別研究員の塩尻さんがIAARの特任助教に就任
10月より、千葉大の制度で学振特別研究員の塩尻さんが直接雇用になり、千葉大学IAARの特任助教に就任されました。
9月までCEReSで日本学術振興会の特別研究員 (PD) として研究しておりました、塩尻大也です。10月より特別研究員の制度変更によって、国際高等研究基幹全方位イノベーション創発センターの特任助教として、改めて着任いたしました。所属は変わりましたが、これまでと変わらずCEReSでお世話になりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ただし職名は研究員から特任助教へと変わったため、これからは教育活動への貢献が期待されるものと思います。学生の皆さんがより充実した研究活動を行えるよう、今後はより積極的に研究のアイデア発案や助言を行っていこうと、決意を新たにしております。学生の皆さんとの関わり合いを通じて、私自身も新たな知見を得て、研究者としてより成長できるように精進いたします。 (塩尻大也)
学生メンバーの新着情報
●修士2年1名が博士課程、学部4年生2名が修士課程に合格
修士2年の河﨑さんが博士課程、学部4年生の白石さんが修士課程に合格されました。引き続き小槻・岡﨑研で研究を継続します。
学部4年生の中野さんが東京大学大学院に合格され、来春に研究室を卒業することとなりました。更なるご活躍をお祈りしています。
●新メンバーが増えました
大学院10月入学で、弘前大学から受験された高橋さん、齋藤さんの2名が加わりました。また、学部3年生の井貫さんをインターン生として受け入れ、計12名の学生が研究活動に励んでいます。
図: 集合写真。新メンバーも加わり、活気あふれる研究室に!
技術補佐員 岡本さんの退職
小槻研究室で技術補佐員として勤務していました岡本です。一身上の都合により10月をもって退職することとなりました。2021年11月に採用していただいてから2年弱の間、主に計算機にまつわる業務を担当してまいりました。バージョン2の頃に放り投げたpythonをバージョン3で学びなおす機会や、最新のHPC環境に触れる、学ぶ、一部管理する機会を与えていただくなど、計算機を生業とする者として成長できたことを感謝しております。就業の際に申し上げた「微力を尽くします」という言葉どおりにしてきたつもりではありますが、顧みてみれば至らなかった事物の多さに顔から火が出る思いです。数多くの不備や失敗にもかかわらず寛大に取り計らってくださった小槻先生には感謝してもしきれるものではありません。本当にありがとうございました。今後は身体の調子を整え少しはまともな大人になりたいと考えています。最後になりましたが、研究室のメンバーの皆さんが健康に恵まれて研究がつつがなく進行し成果を得ること、そして研究室の発展を確信とともにお祈りいたします。お世話になりました。 (岡本浩)
図: 岡本さんのお別れ会。2年弱、お疲れ様でした。ありがとうございました!