市民科学を活用して気象モデル開発などに有効な雪結晶の観測データを収集するのを目的とした、スマートフォンと外付けのマクロレンズを用いて安価で手軽に撮影した雪結晶を深層学習で自動分類する研究の一環として、小槻・岡崎研究室のメンバーの有志が集まり、今年の1~3月にかけて、北海道(ニセコ・ルツス・トマム・富良野・美瑛など)・長野県(軽井沢・菅平など)・新潟県(湯沢)で雪結晶の撮影を行う、小槻・岡崎研雪結晶プロジェクトを開催しました。撮影には、スマートフォン、100円ショップで購入可能な外付けマクロレンズ、光源として夜間のみライト、撮影背景として黒地のフェルト(左上図)と青地のフェルト(右上図)と黒地のプラスチックトレー(左下図)を用いました。

雪結晶の撮影のみならず、ニセコスキー場やトマムスキー場では、雪崩対策や雪質に関する課題・現場で得られた知見などについて活発に議論を行いました。また、美瑛では、地元の方が雪結晶撮影に興味をお持ちになり撮影を行い(右下図)、我々が用意した安価な観測装置を用いて非常に手軽に綺麗な雪結晶が撮影できたことに大変感動なさっておりました。

 現時点では、自動分類の対象は角柱・角板・樹枝の3種類の単一の結晶のみの為、一枚に複数の結晶が含まれる場合に関しては、手動でのトリミング作業が必要となりますが、複数の結晶に対してそれぞれ区別した分類が可能になる、あるいはトリミングの自動化が可能になれば、より実用的に自動分類できるようになることが期待されます。(中野)