私はこれまで、狭いコミュニティでしか評価される機会がなく、社会的な成果を上げた経験がありませんでした。そのため、論文を書くことで社会的な成果を生み出すことが、自分のやりたいことの一つでした。それが修士1年の時点で達成できたのはこの研究室だったからだと思います。

小槻・岡﨑研は研究に専念できる環境が整っています。私の場合は最新のMacBook Airが支給され、サーバーの計算資源も自由に使えます。さらに、学生と同じくらいの人数の研究者が在籍しているため、常に質問しやすい雰囲気があります。特に良かったのは、フルリモートで作業できる体制が整っていることです。もちろん、大学に行って作業することもありますが、雨の日には自宅で作業する選択肢があるのは大きなメリットです。ただし、研究室では高解像度の大画面モニターが使え、メンターにも気軽に質問できるため、できるだけ通うのが望ましいと思います。

研究を重ねる中で知識が増えただけでなく、理論的な考え方を日常で応用する力も身につきました。友人には「話し方が大学院生っぽくなった」と言われることが増え、自分でもその変化を実感しています。また、全体ミーティングでプレゼン内容を要約することを意識することで、伝わりやすい構成や効果的な伝え方を身につけられたことも、大きな成長につながりました。

研究を進めていく上でのアドバイスとして、日頃から誰が読んでも理解しやすいコードを書くことです。研究室では最先端の研究テーマを扱うため、参考資料が少ない場合があり、処理がうまくいかない・エラーが発生するといったトラブルが起こりやすいです。そんなときに、機能を独立させ、マップのように視覚的に整理しておくと、ミーティングで「どこに問題があるのか」「どの処理で詰まっているのか」を的確に伝えることができます。こうすることで、先生方も助言しやすくなり、よりスムーズに研究が進められると思います。

最後に、研究では予定通りに進まないことも少なくありません。予想外の結果や、議論の中で新たな可能性が生まれるたびに、ゴールを再設定する必要があります。しかし、この過程を通じて気づいたことがあります。それは、ゴールとは「絶対に達成しなければならないもの」ではなく、「進むべき方向を示す指針」に過ぎないということです。ゴールがあまりにも遠く、あまりにも辛い時は、思い切ってゴールを再設定しましょう!しかし、それは手を抜くことを推奨しているわけではありません。もちろん、ゴールを手前に設定して終わることも可能です。でも、それをよしとするかどうかは、みなさんが決めていただければと思います。私は最善を尽くしたからこそ、卒論・修論・論文を提出したとき、言葉にできないほどの充足感を味わうことができました。またその歩みが、優秀発表賞を2年連続受賞することにも繋がっており、私は私を誇らしく思います。願わくは、みなさんにもこの幸せを感じてほしいです。

2025年1月14日AM4:14・徹夜して修士論文を書いた時の様子@研究室