鉄道総研で展示されているリニア実験車両前での集合写真

6月16日に、小槻先生と塩尻 (特任助教)、林 (D1)、白石 (M2)、松倉 (B4) の5名で鉄道総合技術研究所 (鉄道総研) を訪問しました。そこで施設見学をさせていただいた後、研究のディスカッションを行いました。施設見学では、小型低騒音風洞、車両試験台、大型降雨実験装置、リニア初期実験車両を見学させていただきました。どの施設も、大学では普通見られないような大規模な施設ばかりで、ひたすらに圧倒されました。それぞれの施設での見学内容を、簡単にご報告いたします。

まず小型低騒音風洞では秒速35mの強風を体験させていただき、障害物によるカルマン渦の影響でどのような音が発生するか、デモンストレーションしていただきました。強風の威力の大きさを体感でき、防災研究における強風対策の重要性を認識するよい機会となりました。次に車両試験台は、列車丸ごと一両を高速で回転する車輪の上に載せ、蛇行動と呼ばれる高速走行時に不安定となる現象を再現可能な巨大施設でした。これぞ鉄道総研という巨大施設で、何度「すごい」と言ったか数えきれないほどです。そして大型降雨実験装置では、300 mm/hrの大雨の中を、傘を差して歩く体験をさせていただきました。普段の研究で豪雨について取り扱いながら、実際にそれを体感できる経験は非常に稀ですので、研究対象を知るという観点でも、大変貴重な経験でした。大雨だと雨滴が大きくなり、地面からの跳ね返りも多くなります。そのため、短い距離しか雨の中を歩きませんでしたが、ズボンがかなり濡れました。大雨の日は外に出るもんじゃないと改めて認識しましたので、今回の大雨体験はなおさらレアな機会となりそうです。

以上の施設は残念ながら撮影禁止でしたので、言葉でしかインパクトを伝えられないのがもどかしいところです。しかしリニア初期実験車両の展示は、幸いなことに撮影OKでした。下記の写真はその際の集合写真です。展示されていたのは合計3台で、1台目が1972年に製造された最初の車両 (下の写真の手前側)、2台目が1979年に時速517kmを達成した車両 (写真奥)、そして3台目が現在山梨で開発が進められるリニアの原型となる車両でした。普通見ることのできない歴史的な、そして当時の技術の粋を極めた車両を見学でき、非常に刺激を受けました。

見学後のディスカッションを含め、大学にいては思いつかないような研究・問題意識があるのだということを学ぶことができました。パソコンの前に座って研究するだけでなく、実体験を通すことは重要だと改めて認識した次第です。こういった実体験を通じ、学生の皆さんが研究の興味の幅を広げてくれると良いなと思います。

(塩尻)

鉄道総研で展示されているリニア実験車両前での集合写真

図: 鉄道総研で展示されているリニア実験車両前での集合写真