謝辞の書き方

謝辞 (Acknowledgement)

謝辞は研究を行うにあたりサポートしてくれた個人や組織に対して感謝の意を述べる箇所です。

  • なぜ謝辞を書くのか
    • 研究を行うにあたり、サポートしてくれた人・機関・研究費への感謝の意を示すため
    • その論文の信頼性を確保する。謝辞に個人・機関名を記載するということは、その論文はその人・組織にサポートしてもらい、認められて進めましたよ、ということ。間接的に論文の信頼性を上げることになる。
    • 組織の貢献、研究費支出の根拠となる。その組織による研究への貢献や研究費支出の根拠となる。貢献した側が報告書等の作成時に根拠として記載可能になり、目に見える形でのサポート結果として重要な意味を持つ。
  • 何を書くのか
      • (1) 個人・機関に対する謝辞
        • 個人名や機関名など
        • 研究アイデアのヒントをくれた人、助言をしてくれた人、データ解析を手伝ってくれた人、その他お世話になった人
        • データ提供や、研究施設に対する場合も各
      • (2) 研究の予算への謝辞
  • 注意すること
    • 氏名・機関の正式名称を正しく書くこと
    • 和文の場合: 氏名はフルネーム、漢字表記に気をつける
    • 簡潔に書くこと(特に雑誌論文)
    • 研究費や奨学金などは、謝辞の記載表示が必須である場合がある

[補足]
特に、(2) 研究の予算や、データ、研究施設 に対する謝辞は欠かすことができません。どの予算機関も「どれくらい成果が挙がったのか?」をモニターしており、もし成果が挙がっていなければ、予算/データ配信機関/施設がCLOSEされることになります。支援を受けて研究を進めたのであれば、支援元についてきちんと記述しましょう。


(1) 個人・機関への謝辞の例

  • SK thanks members of Data Assimilation Research Team, RIKEN Center for Computational Science (R-CCS), and Drs. Daisuke Hotta and Keiichi Kondo of Meteorological Research Institute for insightful discussions.
    • doi: 10.1175/MWR-D-21-0174.1 より引用。研究を助けてくれたメンバーに対する謝辞。
  • The authors thank the members of Data Assimilation Research Team, RIKEN Center for Computational Science (R-CCS), T. Kubota of JAXA, Prof. M. Satoh and Dr. K. Kanemaru of the University of Tokyo for valuable suggestions and discussions.
    • doi: 10.1175/WAF-D-18-0164.1 より引用。研究を助けてくれたメンバーに対する謝辞。
  • The study used the Supercomputer for earth Observation, Rockets, and Aeronautics (SORA) at JAXA, and the K computer provided by the RIKEN R‐CCS (Project IDs:ra000015, hp150289, hp160229,hp170246, and hp180062).
    • doi: 10.1029/2019JD031304より引用。JAXAと京の計算機資源を使ったことに対する謝辞。

(2) 研究予算への謝辞の例

日本語と英語の場合をそれぞれ記載。赤字は予算番号未決定のため要注意。
各研究予算番号については、研究室のプロジェクトページに一覧が示されています。

JSPS (日本学術振興会) 関係

  • 科研費 (2022/07)
    • 文部科学省から交付:  MEXT KAKENHI Grant Number JP12345678
    • 日本学術振興会から交付:  JSPS KAKENHI Grant Number JP12345678
    • 1つの場合
      • 本研究は、JSPS科研費 JP21H04571 の支援を受けたものである。
      • This work was supported by the Japan Society for the Promotion of Science (JSPS) KAKENHI Grant Number JP21H04571.
    • 複数の場合
      • 本研究は、JSPS科研費 JP18H01549, JP21H04571 の支援を受けたものである。
      • This study was supported by the Japan Society for the Promotion of Science (JSPS) KAKENHI Grants JP18H01549 and JP21H04571.
  • 拠点形成 (2022/04-2027/03)
    • 本研究は、独立行政法人日本学術振興会の「研究拠点形成事業」(課題番号: JPJSCCA20220008)の助成を受けたものです。
    • This work was supported by JSPS Core-to-Core Program,  (grant number: JPJSCCA20220008).

JST (科学技術振興機構) 関係

  • JST 創発 (2023/04-2030/03)
    • 本研究は、JST 創発的研究支援事業、JPMJFR215J の支援を受けたものである。
    • This work was supported by JST FOREST Program (Grant Number JPMJFR215J, Japan)
  • JST ムーンショット (2022/07-2025/03)
    • 本研究は、JSTムーンショット型研究開発事業 (JPMJMS2284)の支援を受けました。
    • This work was supported by JST Moonshot R&D (Grant Number JPMJMS2284).
  • JST SATREPS (2022/05)
    • 本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST、JPMJSA2001)と独立行政法人国際協力機構(JICA)の連携事業である地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の支援を受けて実施しました。
    • This research was supported by Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development (SATREPS) in collaboration between Japan Science and Technology Agency (JST, JPMJSA2001) and Japan International Cooperation Agency (JICA).

    省庁関係

    • 環境省 環境研究総合推進費 (2022/07)
      • 本研究は、(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費 (JPMEERF12345678) により実施した。
      • This research was performed by the Environment Research and Technology Development Fund (JPMEERF12345678) of the Environmental Restoration and Conservation Agency of Japan.
    • JAXA PMM
      • 本研究は、JAXA/PMM RA3の支援を受けました
      • This study is supported by JAXA/PMM RA3.
    • 富岳 (2021/09/08)
      • 全体的
        • 課題名: 防災・減災に資する新時代の大アンサンブル気象・大気環境予測
        • 補助金・助成金体系番号:JPMXP1020200305
        • HPCI課題番号:hp200128 (FY2020), hp210166 (FY2021), hp220167(FY2022)
      • プログラム名
        • 「富岳」成果創出加速プログラム
        • Program for Promoting Researches on the Supercomputer Fugaku
      •  謝辞例
        •  本研究は,文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム「防災・減災に資する新時代の大アンサンブル気象・大気環境予測」(JPMXP1020200305)の一環として実施したものです。
        • This work was supported by MEXT (JPMXP1020200305) as "Program for Promoting Researches on the Supercomputer Fugaku" (Large Ensemble Atmospheric and Environmental Prediction for Disaster Prevention and Mitigation).

    大学・全国共共拠点関係

    • 千葉大学・先進学術 (2022/04-2028/03)
      • 本研究は千葉大学国際高等研究基幹研究支援プログラムの支援を受けて実施しました。
      • This work was supported by IAAR Research Support Program, Chiba University, Japan
    • バーチャルラボラトリー (VL)
      • 地球気候系の診断に関わるバーチャルラボラトリーの形成(VL)により実施されました。
      • the Virtual Laboratory (VL) project supported by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and
        Technology (MEXT), Japan
    • ERAN (2020/04)
      • ERAN本研究は放射能環境動態・影響評価ネットワーク共同研究拠点(Y-20-07)の助成を受けたものである。
      • This work was supported by Environmental Radioactivity Research Network Center(Y-20-07)

            その他補足

            • 複数の場合は並べて併記します。研究室の過去の論文発表も参考にしましょう。
              • 本研究の一部はJSPS科研費 JP18H01549, JP21H04571、JSTさきがけMJPR1924の支援を受けたものである。
              • This study was partly supported by the Japan Society for the Promotion of Science (JSPS) KAKENHI Grants JP18H01549 and JP21H04571, JST PRESTO MJPR1924. 

             

            参考サイト

             - 学会運営のトータルサポート「SOUBUN.COM」 "論文の謝辞とは?日本語・英語の参考例文も紹介"