補佐員の方針

補佐員 (Assistants) の方針

(1) そもそも、研究室は何のために存在するのか

小槻研究室のミッション・ステートメント(Our Purpose)では、以下の3つを掲げています。

  • 科学: データサイエンスを活かし、我々だから可能な地球環境予測技術を創造する。
  • 教育: メンバーの成長を通して、日本・世界で活躍する能動的な人材を育成する。
  • 社会: 官公庁・研究所・企業と協働し、防災に関わる具体的な社会実装を実現する。

ことうち、大学の研究室の評価ポイントは主に(1)科学研究成果、(2)教育 となります。より具体的には、論文執筆、研究費獲得、受賞、研究成果の社会実装、プレスリリースなどがあります。これらの数を増やしていくことが評価の向上に繋がります。

[補足]
「評価を上げることを目的化して良いのでしょうか?」という質問には、Noとなります。ただ職業人である以上は、組織が求めることに応える必要があると思っています。研究室のPIである以上、私は研究室の科学・教育活動に成果責任を持っています。ここは私の考え方なのですが、一元的に我々にFreedomがある訳ではありません。大学は自由な学問の地であるべきですが、それは責任を果たした先にあるものだと思います。自由とは、責任を伴うものです。報道にもある様に、我が国の科学には、非常に厳しい未来が待っています。コンスタントに科学論文を書ける研究者もどんどんと減っています。何が正解かは分かりませんが、私は、私の思う責任を果たします。それは、言葉で装飾できる麗辞的な成果ではなく、数値化できる科学成果を生産することです。

(2) 補佐員にお願いすること

  • 研究員・学生が研究を進め、論文を書ける環境整備やサポート
  • 教員・研究員が教育に割ける時間を最大化する
    • 運営補佐: 大学用務、計算機整備、日々の庶務
    • 外部資金の研究補佐: 契約や報告書等の事務作業、研究運営のサポート

これらを実現するために、主に次の3つを意識して取り組んでいます (FY2022)。

  1. ルールの必要性
  2. 重要事項を優先する(「7つの習慣」より)
  3. 心理的安全性

1. ルールの必要性・具体例

なんでもかんでもルール化すればいいものではありませんが、組織の運営上、ルールは必要になると考えます。

  • 公平性を保つため
  • 判断するコスト削減のため

例えば以下のようなものです。具体的な詳細は、wikiにより研究室メンバーに公開していきます。

  • タスク管理
    • 研究室では主にslack・メールでタスク管理をしています。勤務中はslack・メールの確認を必ずしてください。
  • 物品購入
    • 事前に承諾を得て、購入手続きを進める。
  • パソコン関係
    • 業務に関係のないソフトウェアを入れない。
    • ウイルス感染など、動作がおかしかったら報告する。自己判断しない。
  • 社会人としての基本・モラル
    • ホウレンソウ: 報告、連絡、相談。迷ったら自己判断せず、周囲に相談しましょう。
    • 時間を守る: 資料の提出期限、会議の開始時間など。
    • 公私混同しない: 個人活動のために研究室の備品を使用したり、勝手に持ち出したりしない。
    • 守秘義務: 業務上知り得た情報は口外しない (個人情報や入札情報、特許等の技術情報など)

[補足]
2022年に、研究室のメンバーは20名を超えようとしています。これまでは、基本的には私が判断してきましたが、限界が近づきつつあります。
「ルール・基準を設ける」副次的なメリットは、研究室の基準に基づいて、判断が可能になることです。

 

2. 重要事項を優先する(「7つの習慣」より)

これは、1996年に出版された「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー著)で第3の習慣に出てきます。時間は誰にも1日24時間しかありません。やるべきこと、やったほうがいいこと、やりたいこと、時間がいくらあっても足りません。その中で大切なのは、重要事項を優先することです。どうやって優先する重要事項を見つけたらよいのでしょうか。自分の行動を以下の4つの領域に分ける方法が紹介されています。

  • 第Ⅰ領域: 緊急+重要
  • 第Ⅱ領域: 緊急でない+重要
  • 第Ⅲ領域: 緊急+重要ではない
  • 第Ⅳ領域: 緊急でない+重要ではない

普段、緊急性のある第Ⅰ、第Ⅲ領域に時間をかけていることが多いと思います。例えば、電話や来客、問い合わせの対応、トラブルへの対処、締切が近い仕事などが該当します。この4つの中で、第Ⅱ領域の緊急ではないけれど重要なこと、これが一番大切です。準備・計画を立てる、ヒヤリハットの収集・予防策作り、マニュアル作成などがあります。第Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ領域に費やす時間を減らし、第Ⅱ領域に時間を割くことで、研究室環境の整備や教員サポートの実現を行って欲しいと考えています。
第Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ領域に費やす時間を減らすためには、時には仕事の仕組み・ルールの見直しが必要になります。これは不要だな、過度の部分だな、という気づきがあれば、assitantsのmtg提案してください。。

3. 心理的安全性

石井遼介著『心理的安全性の作り方』によると、心理的安全性とは下記の通り。

”本書がテーマにしている「心理的安全性」とは、このように組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見、素朴な質問、そして違和感の指摘が、いつでも、誰もが気兼ねなく言えることです。”
(引用元 石井遼介(2020)『心理的安全性のつくりかた』日本能率協会マネジメントセンター)

例えば、ミーティングでA案、B案のどちらを採用するか検討する場面。メンバーはほとんどA案に賛成の様子。一方、あなたはB案の方がチームのために良いのではないかと思っている。そんな時、「私はB案がいいと思います」と発言しますか。それとも発言を諦めるでしょうか。
大方決まりそうなのに、こんな意見言ってもいいのかな。否定的だと思われないかな。じゃあ、あなたがB案をやってみて、と言われたらどうしよう。このように色々思うかもしれません。意見を言うことで、プラスの報酬ではなく、マイナスの報酬をもらうかもしれない不安を持っている状況、このような状況は心理的安全性がある、とは言えません。心理的安全性が高いチームでは、チーム内の会話が多く、助けてと言える安心感があったり、多様性を歓迎したり、仕事への貢献感を高く持つことが出来ます。

小槻研究室では、研究室の成果向上に向けて、心理的安全性の高いチームを目指しています。

また組織としても「悪い情報ほど、早く上に上がる」状況を作っていく必要があります。仕事上、ミスもあると思いますし、やっちまうこともあります。ただ、私たちの仕事は、失敗して人命が損なわれるような仕事ではありません。何かまずいことがあれば、周りにの人間や小槻に相談しましょう。トラブルは、早ければ早いほど、打てる手が多くなります。頭を下げて済む問題であれば、頭を下げるのもPIの仕事です。

各年度のテーマ

2022年のテーマ

2022年は研究室発足3年目になります。テーマは(1)組織化、(2)仕組みづくりです。1年後に振り返って達成されていれば、OKです。

(1) 組織化

  • 見える化・横のつながり・心理的安全性
  • Closed question (openではなく) & 判断の委任部分を増やす

(2) 仕組みづくり

  • マニュアル化・ルールの明確化 ==> 判断の負担軽減へ
  • 論文の書き方、英語の直し方等のコンテンツ作成 ==> 研究成果

 

参考文献・サイト

- 石井遼介著『心理的安全性のつくりかた』

- 日本能率協会マネジメントセンター "「心理的安全性」の高い職場のつくりかた|Google流マネジメント手法も解説"