気象庁・気象研究所との共同研究契約: DLを用いた衛星データ同化高度化 (CEReS News 4月号より)

研究室で進めた深層機械学習の進展が認められ、2021年4月から気象庁・気象研究所と「深層学習技術等を用いた衛星データ同化の高度化に関する研究」を進める共同研究契約を結びました。この共同研究では、人工衛星ひまわりを深層学習・情報圧縮により有効に用いることを目標にしており、3年後の現業化を目指した共同研究となっています。現業天気予報とは、我々が日々のニュースなどで目にする、気象庁の発表する天気予報の事です。気象学に携わる者として、「自分たちの知見を現業天気予報に活かせるチャンネルの獲得」は大きなチャンスであり、この共同研究を通して国民に行きわたる実天気予報への貢献が期待されます。非常にチャレンジですが、やりがいのある研究課題ですので、学生と一緒に意欲を持って取り組んで行きたいと思います。

相手方は、気象研究所・気象観測研究部になります。室長の岡本さんとは、理研在籍時から研究会などを通じて議論させて頂いていましたが、千葉大赴任後、何か一緒に研究できないかという事でお声がけ頂きました。深層学習を用いた静止軌道衛星ひまわりの情報圧縮に取り組みますが、このアイデアは、小槻研修士1年の土屋君の卒業研究がタネになっています(図-1)。土屋君は卒業研究で、台風・非台風診断器の開発に取り組みましたが、その中で台風特徴量を数値化できることにヒントを得ました。つまり深層学習により、画像データから「特徴量」を抽出できることを示しており、この深層学習器をデータ同化の文脈でいう観測演算子に利用出来ると考えています。ひまわりの様な、時空間的に密な雲画像データ同化の突破口となる可能性があり、気象庁・気象研の方々と協力しつつ、本研究課題を進めていきたいと考えています。それにしても、最近の若い子は、手が良く動きます。

下の図は、 深層学習器を用いた台風診断の1例です。小槻研修士1年の土屋建君が卒業研究で取り組んだ内容であり、深層学習による台風特徴量を二次元特徴量空間にマッピングしたものである。二次元空間における赤が台風画像、青が非台風画像であり、学習機械が両者を区別しようとしている様子が見て取れます。

 

 

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