2021年9月にオンラインで開催されました表題学会において、優秀発表賞を頂きました。両学会の学会長は近藤先生なので、表彰式は少し気恥ずかしかったことを覚えています。

「気候的背景誤差情報を用いたデータ同化手法高度化と観測位置最適化」と題した本発表は、観測ビッグデータの有効な同化手法や、観測位置決定手法を開拓した数理研究です。観測位置決定は、4年生の齋藤匠君と「Data-Driven Sparse Sensor Placement for Reconstruction」と題する情報科学論文を読み進め、理解に努めてきました。その手法とデータ同化の近似性/相違性を理解し、ホワイトボードの前で「要するにこの式か!」と二人で辿り着けた瞬間に、研究の醍醐味と幸せを再確認しました。若人に研究を通した感動を伝えられるよう、これから指導者としても更に研鑽を積みたいと思います。下の画像は、発表資料の最後のスライドです。これまで異なる文脈で見ていた逆問題とデータ同化が、本質的にどういった関係にあるのか、を示しています。式の数学的意味を理解して頂く必要はありませんが、「こんな式を見て、研究者たちは至福を感じているのか、、、」と困惑して頂ければと思います。ただの数式の羅列ですが、日々届けられている天気予報システムの根幹をなす概念が詰め込まれています。

最後に、初めての合同大会 & 新型コロナウィルスの影響拡大という困難な状況の中、大会を運営して頂いた運営の皆さまに、この場をお借りして心から感謝申し上げます。ありがとうございました。(小槻峻司)

 

表彰状 (左) と 発表最後のスライド