2022年1月より小槻研究室に、日本学術振興会特別研究員として塩尻大也さんが着任されました。
以下、ご本人からの自己紹介です。
2022年1月より日本学術振興会特別研究員(PD)としてCEReSの小槻研に着任いたしました、塩尻大也と申します。2021年11月に京都大学大学院工学研究科で博士学位を取得し、その後1ヶ月間学位を取得した研究室で特定研究員として勤務しました。これまでの研究では、陸域の水・熱収支を解析し水循環を追跡できる陸面過程モデルの開発・改良(特に地下水に関する部分)に携わってきました。陸面過程モデルにより、蒸発散量や流出量、土壌水分分布などといった様々な水文量が診断され、例えば気候変動の水資源への影響評価や渇水指標の推定を行うことができます。また陸域における水循環を包括的に取り扱える特長から、様々なモデルと結合させて応用する余地をも持ちます。同時にこの特長は様々な観測データを用いるのにも向いており、CEReSの豊富なリモートセンシングによる観測への知見を活かしていきたいと考えています。特に小槻研の持ち味はデータ同化ですので、それら観測データを陸面過程解析と同化させる、という新たな試みに挑戦できることに心を躍らせています。
ここまでは私の以前と今後の主な研究について書かせていただきましたが、その過程ではパソコンに向き合ってモデル開発をするだけでなく、現地に赴いての観測にも力を入れてきました。私はタイとウズベキスタンにそれぞれ2箇所ずつの気象・水文諸量自動観測システムの立ち上げに携わり、特にウズベキスタンの観測システムは、砂漠の1年で最も暑い時期に何日もかけて立ち上げを行いました。非常に過酷な中での作業でしたが、学生時代にラグビー部で鍛えられた精神力で無事に乗り切ることができました。しかし苦労の甲斐なく近年の渡航制限でデータ回収やメンテナンスに1度も行くことができない苦境に立たされています。ただこれもラグビーで鍛えた精神力を活かし、CEReSで取り組む新しい研究に果敢にどんどん取り組んで行くことで苦境を乗り越えてゆく所存です。今後ともご指導・ご鞭撻の程、どうぞ宜しくお願い致します。