表題の通り。当たり前の様で難しいので、気が付いたことを順番に書いていきます。

MTGにおいて、学生/研究員からの進捗を聞きますが、時間を有効に使って研究が進む学生もいれば、そうでない学生もいる。この辺の差は、学生/研究員が、MTGに対してどれくらい時間を割いて準備してきたかによる。

良いコメントを受けることができれば、それだけ研究を進めることが出来る。

意識したほうが良い事

最初に抽象的なことですが、意識したほうが良い事を並べます

(1) 自分にとっての当たり前でも、当たり前ではない
研究において、「自分の思考には盲点がある」ことを知っておくことは非常に大事である。感覚として処理するのではなく、どう考えて或るアクションを起こしたのか、ということを極力言語化することが重要である。

(2) 情報ギャップ

「自分にとって当たり前/よく覚えている話」は、「教員にとっても同じ」ではない。例えば、学生&研究員が15人いたとき、そのすべてを覚えているのは至難の業である。

MTGの目的は、「進捗を報告すること」ではなく、「進捗を報告して、結果を解釈して、次に向かう方向を議論すること」である。つまり、MTGにおける報告はプレゼンであり、情報ギャップを埋めるように試みるのが、発表者のマナーである。

(3) 早く進むより, 着実に進める

言い方を悪くすれば、食い散らかすように研究をする場合がある。この場合、1つ1つで着実な知見が得られておらず、その上で新しい結果を出しても「結局何も得られていない」という状況になる。
そういった状態でどんどん先に進められても、もう科学的に適切な仮説演繹を出来ているとは思えないので、コメントできない。

(4) やったこと全てを報告する場所ではない

その結果を解釈して、大事な情報を抽出して持ってくるの場がMTGである。教員やアドバイザは、お父さんやお母さんではないのだから、全てを報告する必要はない。

研究が進む学生の特徴

(1) 単純な作業量

単純に、割いた時間に多くは比例する。毎日大学に来て研究する学生は、やはり進捗も早い。多くの試行錯誤をこなせるので、着実に成長する。
つまみ食いの様に研究して、画期的な成果を得られるほど研究は甘くはない。

(2) MTGの活用

傾向として、研究が進むメンバーは、バックアップスライドがしっかりしている。コメントに対して、「それは実は不思議に思って、こういうことも実験してました。」という思考の跡が見える。

結局のところ、研究で身に着けるべきは、「仮説演繹のサイクルを回す」力である。このサイクルを、自分自身で身に着けることが出来れば、研究で出てきた結果から大事な情報を抽出して、報告できるようになってくる。

 

最初のスライドで前回を振り返る/報告の全体を示すクセを付ける

いきなり結果から話始めても、ついていけない。前回までの研究で、どんな課題があって、どんな指摘を付けて、今回どのように研究を進めたのかを示すこと。

ポイントは2つある。まず、全体感を知ることで、

どうやって結果を出したのかをちゃんと説明する

(1)と(2)に関係する。例えていうならば、結果というのは料理である。最後に出来上がった料理だけ見て、何かが違うと思っても、何を使ったか(どんなデータを使ったか)、どう調理したか(どのような解析を行ったのか)が分からないと、的確なコメントはできない。

何も新しい結果が無くても、何をしたかは示す