2023年8月にムーンショット目標8にプロジェクト採択頂いたコア研究課題「海上豪雨生成で実現する集中豪雨被害から解放される未来」が、4か月の作り込み期間を経て2023年12月にスタートしました。小槻がプロジェクトマネージャー (PM) を務め、気象、防災、数理、情報、画像工学、法学、倫理などの分野から20名を超える研究代表者 (PI) が参画します。スタートまでの4ヵ月は膨大な書類作業や、多くの方々との調整が必要でした。サポート頂いた大橋さん・野路さん・中村さんを始めとするPM班の皆さまには心から感謝申し上げます。こちらのプロジェクトの取り組みについては、1月11日の朝日新聞・千葉版でもご紹介いただきましたので、ご関心をお持ちの方はそちらもご覧頂けますと幸いです。ムーンショットは社会的にも関心の高いプロジェクトであり、損保ジャパンやウェザーニュースを始めとする産学連携も含めた体制で研究を進めていきます。

ところで最近、京セラの創始者である稲盛和夫の下記のような言葉に感銘を受けました。曰く、『明治維新の立役者は「偶然同じ時代に凄い人が集まった」のか?おそらくそうではない。それよりも、「時代がその役割の人を求めた」と考える方が自然である。半導体が勃興していくには、ある人間が必要だった。たまたまそれが「稲盛和夫」であっただけで、ほかの存在が「稲盛和夫」と同じ才能を持っていれば、その人が代行していてもよかったはずだ』。

これまで好奇心で研究してきましたが、自分に科学の歴史に名前を残すチャンスがあるとは考えていませんでした。しかしこのプロジェクトは、その挑戦チケットをもらえた気がしています。そしてその挑戦チケットは、時代の要請で偶然得たものです。10年前に気象制御研究は出来なかったし、10年後には終わっているかもしれない。10回研究者人生をやり直して、1回もこんなチャンスはない。得られたチャンスを最大限楽しめるように、真剣に取り組んでいきたいと思います。(小槻)

ムーンショット目標8キックオフ集合写真

2024年1月10日・キックオフ合宿にて@静岡