2023年1月8日から12日にアメリカのコロラド州デンバーでハイブリッドにて開催されました、American Meteorological Society (AMS) が主催する2023 AMS Annual Meeting に、小槻研より小槻先生と筆者の塩尻が現地で、研究員のMaoさんはオンラインで参加いたしました。最新の気象やデータ同化に関する知見と、世界的な研究者たちの間で繰り広げられる議論に触れ、大変な刺激を受けました。私が発表したセッションは、陸域での水や炭素循環を解析するモデルと観測を組み合わせ、より推定精度を向上させる技術である陸面同化についてのものです。そこで私は土壌水分量を同化する陸面同化システムの開発について発表を行いました。同じセッションの中では衛星観測を陸モデルと同化したプロダクトについての様々な発表があり、それが最新の世界の潮流であると実感できました。しかしながらそれらプロダクトに使用されている同化のアルゴリズムは比較的プリミティブなものが多く、気象分野でのセッションで繰り広げられる最新の同化技術の利用は、陸面同化の分野ではどうやらあまり進んでいないようです。このように陸面同化はまだ発展途上の研究分野であるため、私たちの陸面同化システム開発についての研究は、この研究分野に貢献しうるポテンシャルがありそうだと実感することができました。この度の経験を糧に、今後は衛星データと陸面同化を組み合わせた研究に、より一層本腰を入れて取り組んでいこうと決意を新たにしました。
 (塩尻大也)

小槻先生(左)、塩尻(右)の発表の様子