2019年11月に行われた土木学会・水工学講演会での活動が評価され、写真の様な賞を頂きました。「発表賞といった類の賞を喜ぶ年齢では無いでしょう」というご指摘が入りそうで、私もそう思いますが、何歳になっても評価して頂くのは有難いですし、とても嬉しいです。教員としての立場からは、やはり自分の学生・スタッフがこの様な賞を頂けるように、なんとか導きたいと思ってしまいます。これまで考えなかったことですが、「自分の事以上に嬉しい」と感じると思うので、自分なりの経験・蓄積を伝えられる様に努力したいと思います。

ところで10月末に、東京大学の渡部哲史先生と災害復旧・河川整備状況の調査で秋田県・雄物川の河川事務所を訪問していました。道すがら、「研究者の力とは?」という議論をしていましたが、「自分の専門外の発表に、的確な質問・コメントを出来る力ではないか」という見解が腑に落ちました。私見ですが、最先端の知識を更に研ぎ澄ませる「科学者」と、広い見識で物事を判断する「学者」に求められる能力は、等価ではないと思います。つまり、科学者である事は学者の十分条件ではないし、その逆も然り。どちらかの優劣を論じたい訳では、勿論ありません。どちらの力も両立できる教員でありたいし、どちらの力を持てるように研究室のメンバーの成長にコミットできればと思います。千葉大学のミッションは「active learning」ですが、「質問する力」はその根底をなす基礎体力であり、「科学者」としても「学者」としても重要な素質になるかと思います。回り道をしましたが、「研究室のメンバーにも、質問して行こう、と言い続けていきます!」という決意をもって、今回の報告を括ります。