プロジェクト概要
気象制御を実現するためには、意思決定のボトルネックである「制御効果最大化」の議論を可能とする必要があります。その議論に不可欠な「気象制御にかかるコスト」と「気象制御による被害低減効果」の比較検討を行うため、本プロジェクトでは下記の技術開発を行います。
- 気象制御容易性の定量化
過去の災害事例に対し「少しの操作で災害を回避できる、災害/非災害の分水嶺が存在するか?」を機械学習により明らかにします。 - 気象制御による被害低減効果の定量化
制御・非制御シナリオの被害金額・影響人口を日本全域で算出することを目指します。
研究開発項目
- 数理研究班
機械学習を用いて、アンサンブル気象予測データを低次元空間に写像します。低次元空間の解析を通して、少しの操作で災害を回避できる災害/非災害の分水嶺(ツボ)を探索し、気象制御容易性の定量化を目指します。 - データ同化研究班
1,000メンバー以上のアンサンブル気象予測データを作成し数理研究班へデータ提供します。また数理研究班で得た制御入力を気象場へ逆射影し、制御の操作有効性を検証します。 - 経済被害研究班
気象制御の有無を加味したデータを基に洪水氾濫計算を実施し、家屋や被災人口など社会経済的被害の推定を行います。気象制御有無によるリスク算定を行い、被害低減効果の定量化を目指します。
領域アドバイザー
- 水藤寛 氏: 東北大学 材料科学高等研究所 教授
- 大原美保 氏: 土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター 主任研究員