ミッション・ステートメント
Our Purpose (理念): 我々は何者か?何のために存在するか?
・科学: 地球観測情報と情報科学を統合する地球環境予測技術を創造する。
・教育: メンバーの成長を通して、日本・世界で活躍する能動的な4C人材を育成する。
・社会: 官公庁・研究所・企業と協働し、防災に関わる具体的な社会実装を実現する。
Our Positioning (ポジショニング): 我々はどう差別化されるか?
・データ同化や機械学習等のデータ科学・方法論を深め、地球科学の問題を解決する。
・Issue-driven。問題を“良く”解くのではなく、ユニークな“良い”問題を設定して挑戦。
・PMFを意識し、失敗を恐れず挑戦する。成功率の高さでなく、挑戦の数で勝負する。
Our Ambition (目指すべき姿): 我々の成し遂げるべきは何か?
・国内における地球環境・データサイエンス研究の知見が集まる拠点となる。
・地球科学分野において、論文発表・社会実装実現のトップグループを目指す。
Our Values (バリュー): 我々の価値観は何か?
・我々のコンピタンスの強化と、新しい分野への挑戦を両立する (80:20)。
・他のメンバーや共同研究者を尊重し、一人では成し遂げられない研究成果を挙げる。
・学生含め、責任感のあるメンバーに失敗しても良いからチャンス・環境を提供する。
A World Beyond Predictions
2022年に、研究室のロゴを作成しました。その中に、研究室のキャッチコピー "A World Beyond Predictions" が含まれています。
1つ目は、世界の想像 (Predictions) を超える技術・知識を創造し、新しい世界を創っていこう、という意志です。科学技術を創造する源泉として、研究業界・社会から「あんなこと出来るのかぁ」と言ってもらえるような成果を挙げる事が、1つ目のゴールです。
2つ目は、我々自身の想像・限界 (Predictions)を超えよう、という内部動機です。研究の中で、仲間やパートナーと協働することで、自分自身ではたどり着けない理解・技術開発にまで到達して欲しいと思っています。「俺/私はこんなことできたのかぁ」と溜息をつけることが、2つ目のゴールです。

年度初めの所信表明プレゼン
毎年度、年度初めのMTGでは、その年度の研究室の方向性を示しています。
- 5年目 (2024年度): Reproducible Success (再現可能な成功)
- 4年目 (2023年度): Deepening (深める)
- 3年目 (2022年度): Start Integration (融合の開始)
- 2年目 (2021年度): Standardization (幹・文化の形成)
- 1年目 (2020年度): Foundation (土台固め)
年度初めの補佐員業務紹介プレゼン
ミッション・ステートメントの解説
In the first 30 years of your life, you make your habits. 人生の最初の 30 年は、人が習慣を作る。
For the last 30 years of your life, your habits make you. 人生の最後の30年は、習慣が人を創る。
人生を生きる中で、「やった方が善い事」は無限に存在します。人生を左右するのは、「時間はかかるが、やるべき重要な事」に時間を投資できるか否かです。最善の敵は、善なんです。重要な事は、都度判断出来ません。都度判断は、ブレます。そうではなく、「自分の憲法」を持ち、その憲法に照らして判断する習慣を持つ必要があります。
また私は、1人の人間が出来る事が限られていると思っています。多くのメンバーが、その力を合わせて物事を成し遂げるためには、研究室の方向性を決める必要があります。「早くいきたければ一人で行け。遠くに行きたければ、みんなで行け。」という言葉があります。私は、独立して自分の研究室を持つとき、自分一人では成し遂げられない事ができる研究室を創ろうと思いました。また、自分達なら、世界と戦える研究室になれると信じています。
どこで戦うか?
私たちが戦う研究分野は、「環境予測科学」分野で、地球科学と数理・情報科学の横断領域になります。組織が戦い勝ち残るために、「好きな事=消えない情熱は何か?」「得意な事=人より楽にできる事は何か?」「役立つ事=社会をよくできる存在価値は何か?」を考えました。その重なる領域が、環境予測科学研究領域だと思っています。
どう戦うか?
ベンチャー企業の意識する言葉に、PMF (Product Market Fit) という言葉があります。その真意は、「競争力」「生産力」「需要」の重なる箇所が、PMFを満たしています。問題は、自分たちの生産が、Demandを満たしているかは分からない事です。それが最初から分かっていれば、失敗する企業はそもそもいません。研究で言えば、どんな研究が伸びるのかは、やってみないと分からないところがあります。こういう場合に大事な戦略は、「いかに成功確率を上げられるか」ではなく、「いかに失敗を安くし、多くに挑戦するか」になります。
新しい技術や研究テーマに、研究室としてもリソースを割いて挑戦していく必要があると思います。例えば、研究室の柱にしていきたい 観測位置最適化、AI天気予報、量子計算は、その挑戦の中から生まれてきたものです。やってみるまで、こんなに伸びるとは想定していませんでした。研究室には、これまでの技術蓄積やコアになるアプリがありますが、同時に新しい事にも挑戦していきたいと思っています。


参考図書
- スティーヴン・コヴィー「7つの習慣」
- ほぼ日刊イトイ新聞「岩田聡はこんなことを話していた」
- 稲盛和夫「京セラフィロソフィ」
- 宮嶋健人「株式会社・メディアインパクトのミッション・ステートメント」